著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

充血を取る目薬の常用は今すぐやめて…眼科医として勧められない

公開日: 更新日:

「目が充血しているとそう見えるらしく、人から『疲れてる?』といつも聞かれます。それが嫌でついつい目薬に頼ってしまう」

 そんなふうに話す知り合いがいました。聞くと、市販の<充血を取る>とパッケージに書かれた目薬を常用しているという。私は即座に「充血を取る目薬を常用するのは、眼科医として勧められない」と伝えました。

 たとえばモデルさんや女優さんが撮影のためにカメラの前に立つ少し前に、充血を取る目薬を差す。そういった「たまに」の使用ならいいのですが、常用はやめていただきたい。なぜか。実はあの「充血を取る」という目薬は、点眼すればするほど逆効果となってしまうからです。

 市販の充血を取る目薬には、白目の血管を収縮する塩酸テトラヒドロゾリンという物質が入っています。だから差した瞬間に血管がきゅっと収縮して、白目がスパッと瞬時に真っ白になる。

 ただ、きゅっと収縮した血管平滑筋(血管壁の筋肉)は、戻るときには少し弛緩した状態で戻るんです。つまり、それを繰り返すと、血管がどんどん太くなってしまうんですね。

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