足の痛みからほかの病気が発覚するケースはあるのでしょうか?
足に痛みがあると、骨や筋肉の異常だと思い込み、安静に過ごしていれば自然に治ると考えている方もいるでしょう。しかし、足の痛みから全身の思いがけない病気が見つかるケースも少なくありません。
東北地方に住む60代の男性は、足の痛みで近所の整形外科を受診したところ、レントゲン画像では異常がないと言われ処方された痛み止めを飲んで過ごしていたそうです。日が経つにつれて足の痛みは悪化し、普段10分で移動できる距離で痛みが強いと1時間もかかるように。「もしかしたら下肢の血管の病気かもしれない」と受診した循環器内科で下肢の血流検査をしても原因が分からず、家族の勧めで当院を受診されました。
初診時に足を見ると赤紫がかった網目状の「網状皮斑」が足に広がっていて、これは血管内の循環が悪くなることで生じます。中でも骨髄増殖性腫瘍で骨髄の中にある造血細胞が増殖すると、血液中の細胞(白血球)の数も増加し、白血球数が病的に増えることで粘度が高まって血液はドロドロになりやすくなります。とりわけ足の血管は心臓から最も離れているので、血管が細く詰まりやすいのです。