夏バテを防ぐ食事術…カギは「タンパク質」にあり
冷えの解消には、タンパク質の摂取が効果的だという。タンパク質は「食事誘発性熱産生量」が高く、食事で吸収したカロリーのうちタンパク質は約30%がエネルギーとして使われる。炭水化物は約6%、脂質は約4%しか使われない。
「つまり、同じ量の食事を食べたとき、タンパク質はそれだけすぐに熱を産生するので、冷えの解消に効果的なのです。タンパク質には動物性と植物性があってどちらも有効ですが、肉や魚などの動物性は筋肉の材料にもなるため、長期的に見れば筋肉量を増やして冷えを防ぐのに良いといえます」
動物性の中でも、とりわけ鶏の胸肉は疲労を回復する効果が科学的に確認されている。疲弊した自律神経を修復したり、疲労の原因となる酸化ストレスを軽減する抗酸化作用がある「イミダペプチド」が豊富に含まれている。
「1日200ミリグラムを約2週間摂取し続けると抗疲労効果があることが臨床試験でわかっています。1日100グラム食べれば、1日の必要量を摂取できます。また、タンパク質は体内に蓄積できないので、常に消費されています。タンパク質が枯渇すると、自分の筋肉を分解してアミノ酸を作って補う仕組みによって筋肉量の低下につながるので、タンパク質が減っている朝に摂取するのがおすすめです」
夏バテを防いで猛暑を乗り切るには、朝にしっかりタンパク質を取る食事を心がけたい。