皮膚を見れば病気が分かる(4)手指の関節の赤みから皮膚筋炎と大腸がんが見つかった

公開日: 更新日:

 膠原病といえば、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどが挙げられることが多いが、次いで多いとされるのが「皮膚筋炎」だ。皮膚と筋肉に炎症が起こる自己免疫疾患で、60歳前後の中年に発症しやすい。悪性腫瘍との合併も多く報告され、悪性腫瘍によるデルマドロームとして皮膚症状を引き起こすケースも少なくないという。

 鮮魚店に勤務する60代前半の女性は、約3カ月前から指の関節の周りに赤みが広がっていることに気付き、近所の皮膚科を受診。抗炎症作用のある軟膏を処方され、毎日欠かさず塗布していたものの、赤みは改善するばかりかまぶたにまで見られるように。慌てて受診した大学病院で精密検査を受けたところ、皮膚筋炎と大腸がんの診断を受けた。

 東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科教授の樋口哲也氏はこう言う。

「なぜ皮膚筋炎と悪性腫瘍が合併するのかについて、理由はよく分かっていません。皮膚筋炎と診断された人のうち、約30%に悪性腫瘍が合併していたと報告されています。中でも報告数が多かったのが胃がんと卵巣がんで、がんと皮膚筋炎、どちらを先に発症するかは人によってさまざまです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…