(5)危険因子は「糖化」「酸化」「炎症」

公開日: 更新日:

 むろん、からだにはこれらを退治するためのしくみ(抗酸化作用)があり、抗酸化物が自らの電子を提供することで酸化を防ぐ。しかし、不摂生な生活や加齢により、その作用が低下して、酸化が優勢になってしまう。結果、からだがさびついた状態になり、老化していくのだ。

 「炎症」とは、からだに負荷がかかったときに生じる反応のことで、「熱くなる」「赤くなる」「腫れる」「痛みを伴う」「組織の機能不全」を炎症の5兆候と呼ぶ。

「炎症には急性と慢性の2つあり、一定期間が過ぎれば治まるはずの炎症が低レベルで長期間持続して慢性化した状態が慢性炎症です。自覚しにくいため病態が進みやすく老化との関わりが深いことがわかっています」

 限界を超えて分裂しなくなった老化細胞は加齢とともに体内に蓄積されるが、そこからは炎症作用や発がん促進作用のあるさまざまな物質が分泌されていることがわかっている。このため老化細胞が増えると慢性炎症になりやすく、さらに細胞の老化が進んで細胞が構成する組織や器官も衰えていくことになる。

「慢性炎症は肥満、喫煙、歯周病などでも生じます。だからこそ老化予防には、ダイエットや禁煙、口腔内ケアが重要になるのです」 (つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状