「老化」は制御できるのか? 世界中で若返りの研究も盛んに
「老化は病気である」──。近年、こうした主張をする研究者が増えている。
遺伝子研究などの進展で、かつては夢物語だった「不老不死」が現実的なものになりつつある。
実際、米国では老化を「治せる病気」としてとらえる動きが進んでいて、莫大な資金を集めて老化を止めるだけでなく、若返らせる研究が盛んに行われている。
日本でも「老化細胞を除去して健康寿命を延伸する」プログラムが進行し、最近開催された医師の学術集会の演題として「老化は制御可能か」が取り上げられた。
すでに、2型糖尿病の治療薬であるメトホルミンを使用した抗加齢研究や年老いたマウスと若いマウスを手術で結合させて血液循環させることで年老いたマウスを若返らせるパラバイオーシス、種類の異なる老化細胞を取り除く薬の開発などが世界中で行われている。
しかし、そんな研究をしなくても、1947年時点で男性50.06歳、女性53.96歳だった日本人の平均寿命は、2021年には男性81.47歳、女性87.57歳と大幅に延びている。