歯科インプラントやっていい人ダメな人(2)「インプラントは楽」は誤解
一方でデメリットは、「高額」「治療期間が長い」「全身状態が良くないとうまくいかない」。
「インプラントをしたい場所に良質な骨がないとできないこともあり、骨量が足らないときは骨を増やすGBR(骨誘導再生法)といった骨造成手術が必要となります。これには新たに費用がかかります。インプラントは装着したら終わりではなく、メンテナンスが非常に重要。それができなければ、歯肉炎を起こしたり、骨が吸収されたり、インプラントに取り付けた人工歯が壊れたり、外れたりすることもあります」
2012年の海外の報告では、10年間持ったインプラントが95%あったとされている。100%ではないのだ。
「インプラントは異物なので天然の歯よりも防御機構が劣っています。『インプラントは楽』というのは誤解。年齢や認知機能によっては、取り外して管理できる入れ歯の方が合っている場合もあるのです」
インプラント後、以前より快適な生活となれば、払った金額や要した時間を惜しいと思わないだろう。デメリットを理解した上で、それでもインプラントを選ぶかどうかなのだ。 =つづく