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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

日本の心臓移植はどうあるべきか…あらためて議論するべき

公開日: 更新日:

 昨年6月、脳死した方から提供された心臓の移植手術が見送られた事例が2023年に計16件あったという調査結果が日本心臓移植学会から発表されました。この調査は、心臓を含む臓器移植手術の実績上位の東京大、京都大、東北大で、受け入れを断念する例が相次いでいるという一部報道を受けて行われたもので、心臓については東京大病院が15件、国立循環器病研究センターで1件あったことがわかりました。

 いずれも、心臓の受け入れ要請がいくつも集中するなどして移植手術の実施態勢が整わなかったことが原因だったといいます。現在、心臓移植の実施が認められている医療機関は全国12施設で、待機患者が多い一部の施設に負担が集中していることが、断念例が続いた背景にあるとされています。同学会の澤芳樹代表理事は、「医療機関側の体制が理由で移植が受けられないということはなくさなければならない」と、早急に改善策を国に提言していく考えを示しました。

 こうした状況を受け、昨年12月に東京科学大(旧・東京医科歯科大)病院が心臓移植の実施を目指し、今年1月に「移植医療部」を立ち上げ、審査で許可が下りれば26年度から開始すると発表しました。東京科学大は、一部の施設に偏る負担を分散することを目的に掲げています。

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