高齢でも「居場所」と「役割」を見つけるためにはどうすればいいのか
人生100年時代を迎え、定年後の高齢者が幸せに暮らすためには「生きがい」「居場所」「役割」が重要だと前回お話ししました。今回は引き続き「居場所」について取り上げます。
高齢社会白書によると、高齢者の「居場所」に関しては、約70%が「これまで住み続けた自宅」が一番いいと答えています。このため、加齢によって筋肉量や体力が低下し、認知機能も衰えてしまうと、家や部屋が汚いという意識がなくなり、いわゆる“ゴミ屋敷”も増えてしまうのです。
ほかの「居場所」としては、公園や緑地、商業施設や娯楽文化施設、飲食店や喫茶店、親族や知人宅が挙がりました。このように、外出して他者と触れ合うことで生きがいにつながるような「通いの場」を自分の地域に見つけることが大切になります。つまり、「居場所」とは、楽しい場所や心地よい場所であり、会いたい人がいる場所となります。
これまでは、こうした「通いの場」は、現実の建物や空間でした。さらに、リモート環境が進化し、いまや“普通”になった現代では、リモートで参加して交流できる「通いの場」も大切になります。ただし、外出せずに活動量が落ちてしまうと、筋肉量低下という落とし穴があるので注意が必要です。