敬意を込めた「タメ口」が相手の心を開かせる…親近感を抱きやすくなる
私事ですが、今年1月に「戦略的タメ口」(WAVE出版)という本を出版致しました。本書は、タメ口を使うことによって人間関係を向上させる方法を紹介しているのですが、以前、このコラムでもタメ口が役に立つことを説明しました。
人間関係の距離感は、心理的な話でもあります。そのため、人間の心の動きに関する知識も必要です。言葉は人間の心とつながっているため、“現代言語学の父”と呼ばれる20世紀最高の言語学者ノーム・チョムスキー(マサチューセッツ工科大学教授)も、「言語学は心理学の一部である」と明言しています。
タメ口ときくと、未熟な印象を与えてしまうのではないか……と思う方は少なくないと思います。しかし、気持ちを考慮することを忘れなければ、タメ口を使うアクションは、より豊かで微細なコミュニケーションを図ることができるツールにもなるのです。
ところ構わずタメ口で話せば、失礼な印象を与えてしまうでしょうが、上手に織り交ぜていけば、相手の心を開かせる武器にもなるわけです。
例えば、私たちは木村拓哉さんのことを、「キムタク」と親しみを込めて呼びます。「キムタク」以外にも、「松潤」(松本潤)、「たかみな」(高橋みなみ)という具合に、名字と名前の一部を組み合わせた呼び方で呼ばれる有名人はたくさんいます。有名人だけではありません。同僚や友人間でも、独特の呼称を持つ人はいるはずです。