著者のコラム一覧
粂和彦名古屋市立大教授

東大医学部卒。分子生物学者・医師(日本睡眠学会指導医)

(3)高齢者は眠くなるまで布団に入らない方がいい

公開日: 更新日:

 高齢者の入眠困難は、布団に早く入り過ぎる、つまり眠くならないうちに布団に入ってしまうことが主な原因です。眠くないから寝付くまで時間がかかり、眠れないと悩むわけです。この時間を短縮することが重要で、眠くなるまで布団に入らない方が良い眠りが得られます。早朝覚醒も同様で、就寝時間を遅らせ、目覚めたら布団の中で悩んでいないで起きてしまうことです。

 一方、本当に睡眠時間が足りないのが40、50代の働き盛りです。調査ではこの年代が最も睡眠時間が短く、睡眠障害による心身への影響も深刻です。仕事や家事育児の負担が大きく、睡眠不足が続き、日中の眠気、イライラ、作業効率の低下等で悩む人が多いのです。この状態が続いて、寝たいのに寝付けなくなり、お酒を飲む人もいますが、お酒は睡眠の質を低下させ、ますます不眠が悪化します。この悪循環からうつ状態となり、心療内科を受診する人も少なくありません。不眠は薬を飲めば少しは眠れるようになりますが、あくまで対症療法。原因を取り除く対策や睡眠時間を確保する工夫、専門医による睡眠衛生指導などで質の良い睡眠をとることが必要です。 (つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情