「クローン技術」は再生医療の明るい未来になりえるのか
また、人工臓器も、たとえば人工心臓は心筋の働きに関しては考慮せずポンプ機能に特化させ、リニアモーターカーと同じ原理を用いた磁気浮上型人工心臓などにリズムを刻むペースメーカーをプラスして、心臓の機能を代行する完全置換型人工心臓がひとつのゴールになるでしょう。
医療とは分野が異なりますが、近年、目覚ましい進歩を遂げているAI(人工知能)や量子コンピューターも、われわれの脳が持つ“記憶する=知識を蓄える”や“考える”といった機能の部分だけを取り出して、コンピューターに作業させようという技術と考えられます。
われわれの臓器を丸ごと代用するものは、やはり簡単には生み出せないのです。
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