豪雨や台風で注目も 大地震で「とにかく避難所へ」なぜNG
北海道地震発生から3週間が過ぎたが、厚真町や安平町では、今なお800人を超える人が避難所生活を余儀なくされているという。
この夏は西日本豪雨もあって、避難所がクローズアップされ、万が一の事態を想定し、最寄りの避難所をチェックした人は少なくないだろう。
しかし、被災直後は、避難所にはなるべく行かないのが基本だという。どういうことか。防災システム研究所の山村武彦所長が言う。
「公園などの広域避難場所は、津波や大火などのとき、一時的に様子を見る場所。学校の体育館などの避難所は、地震で家屋が倒壊したり、土砂に流されたりして、家に住むことができない人が一時的に避難生活をするところです。これらは地域防災計画でルールが決まっています。“大規模地震発生時はとにかく避難所へ”という考え方は誤っているのです。自宅が問題なければ、原則、避難所には行かないこと。東京都もそうアナウンスしています。自宅が安全なら、在宅避難生活が基本です」
2年前の熊本地震で、倒れた建物の下敷きになるなどして亡くなる「直接死」は55人だったが、避難所や車中泊などで亡くなる「関連死」はその約4倍の208人に上ったのだ。