北海道地震で判明…災害に弱い“盛土造成”のニュータウン
北海道地震の影響で、地盤沈下や液状化などの被害を受けた札幌市清田区。インフラの復旧工事が来春になるほどのダメージを負った地域である。大地震に襲われた時、東京や大阪はどうなるのか。
国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の地質調査総合センターによると、清田区内の被災地は、「旧谷地形を谷埋め盛り土した地域」にある。要するに、被災地は谷に土を入れてできた土地ということだ。
このような人口造成地について、立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)は「洪水や地震に弱い」として、こう警鐘を鳴らす。
「東京や大阪にあるニュータウンは注意が必要です。高度経済成長期の宅地造成によって開かれた土地には、山を切り開いて丘陵を削った『切り土』部分と、谷を埋めた『盛り土』部分があります。切り土は比較的災害に強いのですが、盛り土は大量の水分が含まれているため脆弱です」
全国の自治体や市町村が国の指針に基づいて作成した「大規模盛土造成地マップ」によると、都内の盛り土造成地は、八王子市や町田市、多摩市に集中。また、大阪府内では、豊中市や吹田市にまたがる千里ニュータウンと、堺市や和泉市を開発した泉北ニュータウンに盛り土造成地が多く確認できる。