著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

開成高校「岸田首相誕生」の悲願達成も…熱気がすっかり冷めてOBからは総スカン

公開日: 更新日:

17年秋に結成された「永霞会」

 2017年秋には「永霞会」(永田町・霞が関開成会)という同窓組織も結成された。開成出身の官僚や政治家の親睦を図るのが表向きの目的だが、真の狙いは岸田が首相になるためのバックアップ。この会以外にも、「岸田を首相にしよう」という集まりがいくつも開かれていたという。

「飲み会レベルでもさまざまな応援団が結成されていた。開成にはガリ勉のイメージがあるかもしれないが、まったく違う。バンカラの校風が残り、連帯感はどの学校よりも強い」(OB)

 岸田の首相就任が決まった時は、都内の飲み屋街のあちこちで開成同窓生の万歳三唱の声が聞かれた。だが、その熱気は長くは続かなかった。

「目的を達成したからという部分もありますが、何より岸田さんがまるで開成らしくなくて、みんなガッカリしてしまったんです」(前出のOB)

 開成出身の官僚の一人からは「岸田さんは自己保身ばかり」と怒りの声が聞こえてくる。昨年8月、岸田首相は旧統一教会の関連団体に祝電を送ったり会合で挨拶していたことが発覚した小林鷹之・経済安全保障担当相を事実上更迭。開成高を93年に卒業した元財務官僚である。後任の大臣となった高市早苗は岸田からの入閣要請の際、小林の留任を求めたにもかかわらず、聞く耳をもたなかったと明かした。

「小林さんが旧統一教会とズブズブの関係だったのならともかく、こんな切り方はない。自分さえ良ければといった人間は開成にはいない」(前出の官僚)

 どうやら岸田首相、開成OBたちから総スカンの雲行き。ともかく、子どもたちの人生を左右する開成中と麻布中の入試は2月1日と間近に迫っている。

(取材・文=田中幾太郎/ジャーナリスト・「名門校の真実」の著者)

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース