「南海トラフ」地震後の復興でカネを出すのは米国か、中国か…養老孟司×名越康文が考える

公開日: 更新日:

「第二の田舎」をつくっておく

 ──南海トラフに備えて、個人レベルで何をやっておくべきだろうか。

名越 すごいシンプルに言うと、「自分の田舎」をつくっておくということが大事ではないでしょうか。僕は月に2回、レコーディングのために清川村(神奈川県)に行くんですけども、そこは6000年に1回大きく揺れるらしいんです。つまり比較的安定している。そこに親しい友人がいるので拠点をつくりたいなと。

 もう一つは福岡です。津波の来ないところに何カ所か親しい人をつくっておくことは大事ですよ。いざとなったら帰れる「第二の田舎」をつくっておくことです。生まれ故郷の奈良にはもう実家はないから、田舎と言えなくなりました。田舎に投資しろ。どうですかね。逃げ場を確保するというだけの話ではなく、人間関係を築いておくということです。

 付き合いがおっくうでも、例えば一緒に森を歩いたり、飯を食ったり、子どもの話やふるさとの話をしたりしてゆくうちに培われてしまうものが、気心の知れた関係です。人間関係とその背後にある自然との関係性が絶対に大事で、田舎の人の多くは今でもその土地の風土という背景を持っている。気軽に、でも年数をかけて通うことが全てです。これがうまく行けばそれなりに経済も回ります。

 ──最後に助けになるのは人間関係の構築なのだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された