生後5カ月で勧める獣医もいるが…早過ぎる去勢手術は尿漏れの原因になる
過去には、4カ月で去勢手術を受けたニホンスピッツがいました。狂犬病ワクチンを接種するタイミングで手術を受けたそうです。その結果、ずっと尿漏れに。プロスタグランジンと呼ばれる薬で改善しますが、手術のタイミングを間違えなければ不要でした。
子犬が喜んでいるときなどに尿がチョロチョロと漏れるのは「うれション」と呼ばれますが、これは短い尿道で括約筋が緩んだことによる影響です。シニアの尿漏れは正常な括約筋が加齢で衰えたことによる緩みですから、結果は同じでも原因が異なります。
こうした去勢手術の後遺症を防ぐには、成長が早い子でも生後8~10カ月は経過してから手術を受けるのが無難です。5カ月以前は早過ぎると思います。そもそも去勢手術を行うべきかどうか。日常生活に支障がなければ行わない選択肢もアリでしょう。しかし、オスとしてのボス意識が強い子については行うのがベターです。
日常生活に支障を来すことの1つは過剰なマーキングで、飼い主さんが水をかけてもそこにしたり、小型犬などで部屋の入り口までマークしたり。2つ目は周りへの強い威嚇で、3つ目はメスの発情刺激に伴う前立腺の腫れです。