閲覧チュー意! 東京・新宿区が対策に本腰「ねずみ捕獲」の現場に同行した
歌舞伎町では2時間足らずで40匹以上ゲット
この日の捕獲活動は「ね協」主導の下、国立感染症研究所、麻布大学、および害獣防除資材専門会社の鵬図商事が参加し、合計15人で行われた。
「渋谷、歌舞伎町、上野に続いて4カ所目の捕獲調査です。ここのネズミたちは、酔っぱらいの吐しゃ物を主食にしているんです。ネズミはほかの動物が寝静まった後にひっそり活動し、そのほとんどの時間を食事に費やしているんですが、ここのネズミたちは飲み客が集中する深夜帯にドカ食いをして生きています。勇敢なヤツらなんです」(「ね協」委員長・谷川力さん)
短いミーティングを済ませ、麻布大学の教員と学生が仕掛けを手早く茂みに設置する。植木の根元には鵬図商事が持参した高性能カメラを置き、ネズミの行動を記録。捕獲用のステンレス製ケージは20個あり、中にさつま揚げと魚肉ソーセージが吊るしてある。ネズミが好むエサの調査も兼ねている。
「ここに来ている学生は3人ですが、大学の研究室には10人以上の学生が待っています。ネズミはすぐに持ち帰って解剖し、遺伝子解析や病原菌調査を行います」(環境科学科助教・坂西さん)
話を伺っていると、突然ガシャン! と大きな音がした。仕掛けてからものの3分で1匹ゲット。中をのぞくとケージの隅で縮こまっていて、意外にも愛らしい。
「これはまだ子どものドブネズミですね。ということは、ロータリー内のわずかな茂みでも繁殖しているということがわかります。ここのネズミたちはさつま揚げが好物みたいです」(坂西さん)
夜が更けて、酔客も一層活気づいてきた中での“ネズミ入れ食い″に度肝を抜かれる。あっけにとられたのも束の間、その後もフィーバー状態は続き、子ネズミから20センチほどのおとなネズミまで、約2時間で29匹を捕獲。色は黒や赤茶色などさまざまだったが、どれもドブネズミだという。チューチューと悲しげにバンで連行されていった。
「今日はまあまあといったところです。歌舞伎町ではすぐに40匹以上も捕獲でき、2時間足らずで撤収しましたから。歌舞伎町のネズミは数が多く、とにかく人を怖がらないのが特徴です。SNSで拡散された動画はわざとエサを与えて撮影したものもあって、人に懐いているとすら感じられます。彼らは空腹なだけなんですが」(谷川さん)