“安倍派解消論”身内から噴出!所属議員を襲う「ポストない、金ない、選挙きつい」の三重苦

公開日: 更新日:

党として事件の総括をせずに何を改革するのか

 裏金事件への世間の風当たりが強い中で安倍派を存続させても、所属議員にはデメリットしかないという。

「安倍派幹部が軒並み不起訴の見込みでも、同派への不信感は拭っても拭いきれません。安倍派が残ったとしても、しばらく所属議員には大臣ポストは転がってきそうにないし、派閥のパーティーを開けない以上、集金システムの役割も果たせない。何より選挙への影響が大きい。衆院小選挙区では無党派層を取り込まなければ勝てません。『安倍派所属』の肩書で一体、いくらの票が減ることか。5人衆といった派閥幹部は全員『おとがめなし』で、なおかつ安倍派自体も存続となれば、有権者の留飲は下がるはずもない。安倍派に所属したままでは『ポストない』『金ない』『選挙きつい』の三重苦ですよ」(同前)

 岸田は政治刷新本部で「国民の信頼を回復するため、日本の民主主義を守るために自民党は変わらなければならない」と「熱い思い」を語ったが、刷新への期待感は薄い。ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。

「そもそも裏金事件の事実関係について、なぜ不記載にしたのか、いくらの裏金を何に使ったのかなど、詳細について『捜査中』を盾に誰一人として説明していません。事実関係を明らかにした上で派閥解消の議論が出てくるならまだしも、いきなり『刷新』とは順序としてオカシイ。党として事件の総括をしないまま、一体何を改革するというのでしょう。『政治刷新』の聞こえはいいけれども、やってる感を演出しているようにしか思えません」

 党改革の名の下で事実がウヤムヤにされる恐れがある。まずは、捜査を受けた議員本人が裏金について説明責任を果たす。そこからだ。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…