【50品目一覧表付き】2023年は「2ケタ値上がり」が目白押し! 頻繁に買うモノは6.2%アップ
鶏卵の28%、チーズ22%の値上がり
そこで、上昇率(表)を調べてみた。20%以上も上がったのは鶏卵の28.7%、チーズ(国産)の22.0%。他に10%以上はゆでうどん、カップ麺、かまぼこ、牛乳、にんじん、きゅうり、ピーマン、油揚げ、調理パン(サンドイッチ)など16品目に及ぶ。値下がりは、たまねぎ(マイナス24.9%)とポリ袋(同1.5%)、診療代(同0.1%)の3品目のみだ。
「頻繁に買うモノは野菜や肉類が多く含まれています。ただ、高齢者世帯などは肉より魚を購入する機会は多いでしょうし、値上がり度の実感はまた違った感じかもしれません」(市場関係者)
■魚介類は10%超えが続々
魚介類の上昇率を見ると、何と2ケタ増がズラリ。あじ(11.2%)、さけ(15.6%)、さんま(19.6%)、いか(22.6%)、塩さけ(12.4%)、たらこ(12.8%)、しらす干し(26.5%)……。
朝食に塩さけと、納豆(6.7%)、あさり(10.6%)の味噌汁、トマト(9.9%)とレタス(4.0%)のサラダを並べるだけで相当な出費増だ。
子育て世代も大変だ。ケチャップ(17.7%)やカレールウ(16.5%)、パスタソース(16.1%)はとんでもなく値上がりし、お菓子のゼリー(15.3%)やプリン(23.8%)、シュークリーム(11.2%)も購入を減らすしかない。お弁当に入れる冷凍のコロッケ(25.9%)やハンバーグ(13.0%)はもはやぜいたく品か。
日用品を見回すと、ティッシュペーパー(19.5%)やトイレットペーパー(15.5%)、台所用洗剤(11.6%)、ラップ(16.9%)の値上がりが激しい。
ペットを飼っている家庭はキャットフード(20.3)やペットトイレ用品(10.8%)の出費がかさむ。
「節約にも限界はあります。長期にわたり値上がりは続いているので節約疲れも相当です。エンゲル係数も高止まりしています」(熊野英生氏)
エンゲル係数は消費支出に占める食費の割合。昨秋に29%を超え、約40年ぶりの水準と話題になった。エンゲル係数は高いほど“貧しい国”とみられるので、日本はどんどん貧しくなっているとの指摘もあった。直近統計の昨年11月は28.4%となっている。
■ついに貯蓄率がマイナスに
もうひとつ気になるのは家計の貯蓄率だ。
「23年7~9月はマイナス0.2%に陥りました。つまり、貯蓄を取り崩して生活するようになっているのです」(熊野英生氏)
エンゲル係数は高止まり、貯蓄率はマイナス。これでは貧しさに拍車がかかるばかりだ。
「やはり賃上げがカギです。この春闘で物価上昇を超える賃上げを実現できないと好調な株式市場もどうなるか分かりません。海外投資家は賃上げを見越して日本株を買い始めています。大手企業だけでなく、中小・零細企業がどれだけ賃上げに動けるか。経営者は判断を間違えないでほしい」(前出の市場関係者)
帝国データバンクによると4月は3000品目を超す値上げが予定されている。年間では最大1.5万品目に達する恐れがある。家計は、モノの値上がりをしっかり頭に叩きこんで節約していくしかない。