許すまじ! 自民・安倍派に8億円脱税疑惑、政治家なら「不明」だらけの収支報告書でまかり通るのか
二階派は約3.2億円
他の裏金議員も脱税疑惑がくすぶる。おととしまでの5年間で、安倍派は計6億7503万円、二階派は計2億6460万円のパーティー収入などを派閥の収支報告書に記載していなかった。安倍派と二階派の裏金も、政治資金とみなされず、課税対象となる可能性がある。納税額は一体、いくらに上るのか。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)がこう言う。
「政治資金パーティーの実態はイベントによる収益事業であり、本来なら課税されるべきですし、議員個人の懐に入った裏金は雑所得として扱われます。派閥は法人税法違反、議員は所得税法違反の可能性があるのです。悪質性を加味して考えると、法人税と所得税に加えて重加算税と延滞税を課すべきでしょう。それぞれ、納税されるべき額は6割程度と考えられます」
ザッと計算すると、法人税法及び所得税法違反の場合、脱税額は安倍派が約8億円、二階派が約3.2億円にも上る。計11億円超の巨額脱税だ。7日の予算委で国税庁幹部は税務調査について問われ、「実態に即して判断する」と答弁していた。
「国税は昔から『弱きをくじき、強きを助ける』と言われていますが、『実態に即して』と言うのであれば、なおのこと調査に乗り出すべきです。通常、納税者の不備や非協力によって実額を把握できない時は『推計課税』が課されます。例えば飲食店の場合、客数や席数、1日の売り上げなどから納税額を推計される場合があります。今回の裏金事件のように悪質な場合は、政治家にも推計課税を課していいのではないか」(浦野広明氏)
「脱税許すまじ」の世論が大きくなれば、国税も動かざるを得なくなる。巨悪を眠らせていてはダメだ。