春から盛んにPRされる犬の「フィラリア症」血液検査は毎年必要なのか?
フィラリア症は蚊が媒介する感染症で、犬の心臓や肺、猫の肺などに寄生虫が感染します。成虫になると30センチ近くにもなりますが、心臓に多数寄生すると血流が滞って、最悪の場合、命を落とす恐れがありますが、感染初期はあまり症状が目立たず、見過ごされやすいです。
発症すると元気や食欲がなくなる、咳をする、痩せる、呼吸が苦しくなる、といった症状が見られ、さらに進行すると、お腹が張ってきたり、血尿のように尿が赤くなったりします。
前述した通り蚊が媒介する病気ですから、春から夏にかけて動物病院に行くと、フィラリア予防の観点から、フィラリア感染を確認する検査が勧められることが少なくありません。薬剤の進歩でフィラリア症は少なくなっていますが、それでも盛んに検査が勧められるのには理由があります。
30年ほど前、イベルメクチンという抗寄生虫薬が登場。フィラリアの駆虫薬として普及していました。その際、よく使われたのは粉薬を“豚”の配合飼料に混ぜて処方する方式です。そのレシピが海外から伝わり、日本でも犬の体重に応じて処方されていたといいます。