記者は見た!ネズミ対策先進都市の東京千代田区で体長20cmの巨大ドブネズミを捕獲

公開日: 更新日:

対策課長は「まるでゾンビ」

 結果、この日、捕獲されたのは50個の仕掛け中、わずか3匹。一斉駆除の効果が無事証明され、めでたしめでたし……と思っていたところ、後日、取材を行った千代田区保健所生活衛生課長・市川健介さんは「まだまだネズミとの戦いは続きます」と言い、こう続けた。

「前回の一斉駆除は3カ月かけて、殺鼠剤の使用から捕獲、そして地中の巣穴の退治まで、徹底して行いました。それでも、3カ月後には再び現れる。まるでゾンビですよ」

 ネズミ対策の難しさと同時に、戦いへの強い覚悟を感じる。しかし、現場で3匹しか捕獲されていないにもかかわらず苦情が倍増しているのは、不可解ではないだろうか。

「苦情件数の倍増は、ネズミの増加を意味するのではなく、住民のネズミへの関心が高まった結果だと分析しています。生息調査でも減少傾向にありますが、満足して放置してしまったら、まさに“ネズミ算”で増えてしまう。住民の方の協力を得て環境全体を改善していく必要があります。え、私がネズミだったら? うーん、まだ千代田区には住み続けますかね」

 現場と同区の徹底ぶりを垣間見た今、もしネズミだったらと思うと、臆病者の記者はすぐにでも逃げ出したい。

(取材・文=橋爪健太/日刊ゲンダイ

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…