皮膚におでき、イボが…麻酔下切除や病理検査に誘導する動物病院の狙い

公開日: 更新日:

 経験を積んだ獣医師なら、10歳未満のネコちゃんやワンちゃんでかかりつけの場合、患部を目で診て、触診して、飼い主さんの話も総合することで、経験的にまったく悪いものではないと診断できることはしばしばあります。良性なら、「悪いものではありませんよ。安心してください」とハッキリと伝える方が、私はよいと思います。

 もし悪性の可能性があったとしても、クリニックレベルの小規模な動物病院では病理診断医がいませんから、組織を検査機関に送って診断してもらうため、診断まで早くて4、5日。前述した悪性黒色腫のような進行の速い腫瘍では、このロスが致命傷になりかねません。この点でも、病理検査への誘導は、疑問が残ります。

 では、どうするか。怪しいと判断したときは、麻酔をして1回でその部位を丸ごと切除した上で病理検査をしてもらうのが最短です。その場合、細胞の悪性度だけでなく、血管への浸潤の有無もチェックしてもらうことが欠かせません。血管への浸潤があると、遠隔転移のリスクが高くなるためです。

 逆にいうと、たとえ皮膚の悪性腫瘍でも血管への浸潤がなければ、予後はそれほど悪くありません。1回での切除が早期治療に結びつき好結果を生んでいると思います。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出