忍者修行に行ってみた(後編)師範の妙技「タマ隠し」に思わず「ナニっ⁉」と声が漏れた

公開日: 更新日:

どれほどの修行を耐え忍ばなければならないのか

 では、呼吸法を極めると、何を身につけられるようになるのか。ズバリ、「キ○タマ隠し」である。

 理屈はちゃんとある。精巣は胎児の時に腹部で形成され、出生2カ月前ごろから陰嚢、いわゆるタマ袋に下りてくる。下りてきた道を逆走させれば、キ○タマを体内に戻すことができるのだ。

 ちなみに技名がカッコイイ。某漫画で紹介されて広まった「コツカケ」(骨かけ)とよく混同されるが、忍道では「首や股間など全身の急所を自ら殴打する『骨固め』という修行の一環として行う技であり、『骨固め』や『釣鐘隠し』と呼んでいます」(習志野師範)とのこと。個人的には「釣鐘」がグッとくる。

 道場での稽古が終わった後、習志野師範が「骨固め」を披露してくれることに。おもむろに立ち上がって肩幅ぐらいに足を開いた習志野師範が「どうぞ(蹴って構いません)!」とひと言。失礼して股間を蹴り上げると、師範は「全然、大丈夫です」と笑っていた。

 忖度したわけではない。成人男性なら悶絶するほどに力を入れたが、痛みを我慢しているふうでもない。これまた失礼して、股間を服の上から触ってみると、あるべきはずのキ○タマが不在。骨に触れている感覚だった。

 まさか、もともとキ○タマがないのか--。その可能性を捨てきれなかった記者は「タマを所定の位置に戻すよう」にお願い。改めて触ってみると、ナニっ……ある! ただただ頭の中を「!?」が駆け巡った。

 キ○タマを上げ下げする際、師範は手など使っていない。見た目には分からないが、「いつでもどこでも体の中に隠せる」(習志野師範)という。フリーハンドのタマ隠しである。

 いくら「忍者」とはいえ、キ○タマを隠せるようになるまで、どれほどの修行を耐え忍ばなければならないのか。もう、憧れるだけでいいや。

(高月太樹/日刊ゲンダイ)

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