安倍派「香典」疑惑が丸川珠代氏にも拡大!違法な会計処理は10年以上前からの悪しき慣習か
日刊ゲンダイの手元には全く同じ様式の領収書が2枚ある。どちらも発行は安倍派の政治団体「清和政策研究会」(清和研)。金額はそれぞれ1万円、日付は同じ2015年10月28日。ただし書きに「香典として」とある方の宛名は安倍派幹部だった世耕弘成前参院幹事長の資金管理団体「紀成会」、ただし書きが空欄の宛名は安倍派の丸川珠代元五輪相の資金管理団体「丸川珠代の会」だ。
2枚とも数年前、政治資金収支報告書に明細を記載する必要のない「1万円以下の少額領収書」の写しを開示請求して入手したもの。
支出先や領収書の様式、日付、金額まで同じことから、丸川氏の領収書も世耕と同様に香典代と察せられる。
日刊ゲンダイは7月30日付で安倍派の「宙に浮いた香典」疑惑を報じた。清和研は20~22年に世耕の紀成会から計20万円分の香典代などを受け取った領収書を発行しながら、同期間の収支報告書にその記載が一切ないのだ。政治資金規正法違反(不記載)の疑いが生じる。
さらに冒頭の領収書2枚は氷山の一角。安倍派内では少なくとも9年前から香典の違法な会計処理が蔓延し、慣習化している疑念すら浮かび上がってくる。政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏が指摘する。
「所属議員1人の政治団体の香典代だけが記載ナシという『たまたま』の問題ではない以上、派閥ぐるみの違法な会計処理を疑わざるを得ません。1件1万円の香典代でも、収入を記載しなかった期間が10年近い長期に及べば、相当な不記載額に達するはずです」