「猫への輸血」には犬とは違うハードルの高さが…実は採血も難しい
■注目の「クロスマッチテスト」とは?
そこで、注目されているのが、クロスマッチテストです。それぞれの血液を採取して、お互いを交差させることで溶血するかどうかを調べます。溶血しなければ適合で、確率は3分の1。
輸血する上で重要なのは、採血される側の病気の確認です。猫白血病ウイルスや猫エイズウイルス、猫コロナウイルスなどに感染していた猫から採血して、輸血したら、病気を感染させるリスクがあります。
一方、採血される側はそのストレスによって、抑えられていたウイルスが顕在化して、潜在的な病気を発症させる恐れもあります。どちらにも注意が必要です。
こうしてみると、ネコちゃんの血液型判定や輸血については、かなり大変であることが分かると思います。これだけ獣医学や科学が進歩しても、ワンちゃんのようにはいかないのが現状です。
(カーター動物病院・片岡重明院長)