「そうだ、実母と同居すればいい!」夫とふたりきりの生活が窮屈な48歳女性【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
48歳、2番目の夫とは結婚10年目
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
有紀子さん(48歳・仮名)は、今の夫であるユウイチさん(52歳・仮名)とは、結婚10年目で娘がひとり。
48歳になり、いわゆる「更年期」と呼ばれる世代に入った今は、フルタイムの仕事をやめて体調と相談をしながらフリーで仕事をしているとのこと。
娘はもう大学生で、今の夫ではなく、過去の結婚で前夫との間にできた子だそうです。
夫とふたりきりの生活がつまらない
「シングルマザーとして必死で子どもを育てていたときに、今の夫と出会い再婚しました。
娘はそれほど夫に懐いてはいませんが、まぁ特別な大きな問題もなく、ここまでやってこられたかなという感じ。
娘が今年からひとり暮らしを始めたので、夫とふたりだけの生活がスタートしたのですが、これが想像以上に面白くない生活で…。
今までは子どもの存在に助けられて、夫との生活が成り立っていたのかもしれないです」
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実母からの提案は渡りに船
聞けば、夫とふたりの生活は、何の楽しみも感じず、ただの「同居人」のような状態とのこと。
そのうえ、更年期の影響で体調がすぐれない日も多い有紀子さんにとって、ボーッとしていて家事をするわけでもない夫はどんどん目障りな存在に。
夫の顔を見たくない日には、あえて実家に帰って数日間を過ごし、距離を置くようにしているのだとか。
「しかも、ウチの夫は、ユーモアのカケラもないから会話もめちゃくちゃつまらないんです。
彼から出てくる話題は芸能人や政治家のゴシップや、コンビニの新商品くらい。
正直どうでもいいですし、大学生の娘のほうがよっぽど面白い話ができます」
そんな有紀子さんは今、実母とともに同居計画を進行中。
実母は数年前に熟年離婚をし、ひとりで生活をしているのだそう。頻繁に訪れる有紀子さんに「そんなに実家がいいなら、ここでみんな暮らせばいいじゃない?」と提案してきたといいます。
具体的な話を避ける夫
「実家で暮らせれば、母のおかげで、夫の存在が薄まって、今ほど嫌じゃなくなりそうだなって。
離婚をしてもいいんですけど、少し前にチラッと夫に離婚を切り出したら『絶対に離婚はしません』って言われちゃったんですよね。
別れるとなればいろいろとめんどくさそうだから、とりあえず、夫を連れて実家かなぁって」
しかし有紀子さんの計画に、夫は面と向かって反対はしてこないものの、のらりくらりと具体的な話を避けていて、一向に話が進みません。
有紀子さんとしては、今すぐに実家に引っ越したい思いがあるため、そんな夫の態度には日増しにイライラも募っているそうです。
心の底から結婚を後悔
「強行突破で私だけ先に、実家に引っ越してしまおうかとも思ってしまうほど、夫はとにかく動かないんですよ。
今の家は私と夫の共同ローンで購入しましたが、私たちが実家に移って賃貸に出せば、資産として運用もできるのに。
夫はそういうところも鈍いんですよね。のらりくらりと牛歩な態度をして、ボーッと生きているんだと思うんです。あぁ、夫のことを考えただけで、イラッとします。
実家に引っ越す案が出て、かれこれもう3カ月かなぁ。
私は早く計画を進めたいし、母だって『引っ越しはまだ? どうするの?』ってヤキモキしているから、ちゃっちゃとやってしまいたいのに。
最近ではイライラが止まらないんですよ。なんで、あんなに人をイラつかせる夫を選んでしまったんでしょう。心の底から後悔しています」
◇ ◇ ◇
夫との生活よりも実母との同居を優先したいとハッキリと言葉にする有紀子さん。では、夫は妻の計画について、どんな思いを抱えているのでしょうか。
次回に続きます。
(並木まき/ライター・エディター)