大阪万博の陰で住宅再建もままならず…能登半島地震の被災地からは怨嗟の声
生きるのに必死
大阪府の吉村知事は、能登半島の小・中学生の子どもら320人を万博に無料招待するとしている。
「国家的イベントの開催自体は良いことだと思います。でも、復興支援というなら、被災者数百人を万博に招待しただけで何になるんだというのがホンネです。それに、いま旅行できる余裕があるのは被害が少なかったか、裕福な家庭くらいですよ。言い方は悪いですが『能登をダシにすんな』って感じです」(前出の30代男性)
自民党は政権与党として万博を推進する立場だが、被災地ではその自民党の地方議員でさえも、開催についてこう異論を呈した。
「能登半島の人々は、万博のことなど頭になく、日々を生きるのに必死です。そんな状況なのに、あっちは万博でにぎやか、こっちは粛々と復旧・復興作業っていうのは、ちょっとあんまりです。中途半端に能登を扱うくらいなら、もっと地元のことを伝える場を設けてほしい。能登半島には、いろんな祭りがあるので、踊りなどを会場で披露するとか、もっと被災地に関心を持ってもらえるようにして欲しいです」
夢洲では華やかなメガイベントが行われている一方で、被災者は将来への大きな不安を抱えたまま生活を続けている。
(橋本悠太/日刊ゲンダイ)