時代屋 藤原英則社長(2)31歳で再び人力車サークルを立ち上げる
時代屋は、浅草で観光人力車などレトロエンターテインメント事業を展開する会社である。
1979年、藤原は同志社大学を卒業した後、東芝に入社した。
最初の配属先は中部支社。電動モーターや配電盤部品などといった電機商品を扱う産業機器事業部で営業企画を担当した。
「販売イベントや販売代理店の統括など販売促進の仕事です。自分がアイデアを出して動けば動くほど評価してもらえるものですから、仕事が楽しくて仕方なかったです」
その後、東京の本社に移り、全国を束ねる仕事を担当するようになる。
横浜の社宅に住み、週末には冬はスキー、それ以外の季節には湘南や千葉の海でサーフィンを楽しんだ。
当時は国際的な仕事をしたいという思いもあって、東芝にある国際企業人育成制度に応募する。社内選考に合格して、3カ月間の語学留学に行くことになる。
東芝の産業機器事業部は世界中に拠点がある。
「サーファーでしたから、カリフォルニアにある学校を選びました」
午前中は学校に通って、午後はサーフィンという生活を楽しんだ。
「アメリカにある拠点を全部回ってこい」と上司に言われ、サンフランシスコ、ヒューストン、ニューヨーク、ワシントンのオフィスに立ち寄りながら、旅を満喫した。