第一生命HDのベネフィット・ワンTOB カギを握る「医療界のGAFA」エムスリー社長の存在感
このTOB合戦のカギを握るのは、「医療界のGAFA」と呼ばれるエムスリーの創業者、谷村格社長だ。谷村氏を巡っては、10月に投資ファンド「日本企業成長投資」に買収された眼鏡店「メガネスーパー」を運営するビジョナリーHDの筆頭株主として名前が浮上したばかりだ。
エムスリーとはどんな会社で、創業者の谷村氏とはどんな人物か。
「エムスリーは東証プライム市場に上場する日本最大の医療情報プラットフォームを運営する会社で、無借金経営。M&Aを駆使して急速に業容を拡大させている。隠れたエクセレントカンパニーだ」(メガバンク幹部)というが。
エムスリーは2000年9月に谷村氏が、インターネットを活用した医療関連事業を行うためソニーコミュニケーションネットワーク(当時)の90%出資を受け、「ソネット・エムスリー」を設立したのが始まり。
医療従事者(医師・歯科医師・薬剤師ら)を対象としたポータルサイト「m3.com」(23年4月時点で医師会員30万人以上)、米国の「MDLinx」や英国の「Doctors.net.uk」など医療従事者向けプラットフォームをグローバルに展開している。連結従業員数は約1万1000人(23年3月末)に及ぶ。