しまむら(上)投資家に転身したマネックス創業者が株主提案
ドコモとマネックスグループの資本業務提携の実態は「ドコモによるマネックスの救済」(インターネット証券大手の役員)。ドコモにとっては遅れていた金融・証券部門を強化するという意味がある。
松本は投資活動に軸足を移した。19年に立ち上げたMAMFは、経営者とのエンゲージメント(愛社精神)を通じた経営改善をうたっている。個人的なつながりを生かした投資ファンドを目指す。
批判合戦もいとわないと評される旧村上ファンドとは異なり、穏健派のアクティビストファンドとして存在感を発揮したいというわけだ。
ところが今年に入ってから、「物言う株主」の姿勢を鮮明にした。3月、しまむらに株主提案したのを皮切りに、大日本印刷、住友電設に株主提案を行った。大日本印刷に対しては、資本効率を高めるための増配や自社株買いではなく、社外取締役の選任にまで踏み込んだ。
松本は第2の村上ファンドになるのか。松本の初めての株主提案を退けたしまむらの経営の現状を解明することにする。 =敬称略 (つづく)