しまむら(下)2024年2月期は過去最高…4年前のどん底から見事に復活するまで
地方の郊外に、低価格のカジュアル衣料品店を展開。老舗のアパレルが都心の出店で共食いするのを尻目に、しまむらは急成長を遂げた。巨大な流通資本が入ってこない、いわば、隙間を狙い撃ちにした。
しまむらをいかに再生させたのか。「売り場を見て、組織と数字に置き換えられない人は経営者ではない」というのが藤原の持論だ。
新社長の鈴木は中期経営計画で商品や販売力の見直しに着手。「基本を徹底するため、まず商品を強化した」という。
しまむらは婦人・紳士から寝具まで幅広い商品を取り扱っている。PB(プライベートブランド商品)、サプライヤーとの共同開発、コラボ商品の3つに力点を置いた。3年目に入った頃には、ベビー・子供から50代以上までをカバーできる10のブランドが出そろった。
田舎のおばちゃんの服と揶揄された、かつての商品はない。客層が若返り、高価格帯商品の導入も貢献し、過去最高の業績をもたらした。
27年2月期までの新中期経営計画では売上高7190億円(前期は6350億円)、営業利益率9.2%(同8.7%)を目指す。人件費の上昇が目の前にある。中計達成には大きな越えなければならない山がいくつもある。 =敬称略