「紅麹問題」で会長&社長辞任も脱一族経営は見せかけ…小林製薬の再建が厳しいこれだけの理由
持ち株手放さずして改革なし
事件発覚から半年、やっとトップ2人が辞任したが、小林製薬の再建は進むのか。
もともと、財務は盤石だが、今回ばかりは会社経営への影響は計り知れない。金融ジャーナリストの森岡英樹氏はこう話す。
「小林製薬はユニークな商品を世に送り出し、その開発力が支持されています。そのため、あれだけの不祥事にもかかわらず株価は2割程度の下げ幅で収まっています。無借金経営で債務の返済がないため、財力もあります。とはいえ、今回は人の生死に関わる深刻な問題です。企業の信用やブランド価値の低下は避けられない。今後さらに被害者が増えれば、莫大な損害賠償が経営の足かせになる可能性もあります。まだ全容を解明している最中ですが、再建に向けた不安要素は大いにあります」
トップ2人が交代したとはいえ、会長だった一雅氏は特別顧問になり、社長だった章浩氏も取締役を続ける。
結局、元凶とされる2人は会社に残っており、ガバナンス改革という点で疑問が残る。
「社長が退いたとはいえ、内部の人間を昇格させただけ。創業家の人間は社内に残ったままで、改革が中途半端です。何より、小林製薬の筆頭株主は章浩氏です。持ち株を手放さない限り、会社は小林家の持ち物のまま。株保有にメスを入れないと現在の体質は改善されず、また同じような問題が起きてしまうことも考えられます」(森岡英樹氏)
膿を出し切ったわけではなさそうだ。
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小林製薬は安倍元首相の政党支部に2022年までの10年間で計280万円、国政協には22年までの34年間で計1391万円を献金していたという。毎年欠かさずだ。●関連記事【詳しく知る】は必読だ。