斎藤元彦知事の選挙収支報告書で露呈した“隠蔽工作”の跡 PR会社への支出は代表務める政治団体経由という不可解

公開日: 更新日:

折田楓社長の告白がなければ闇が闇

 そう語るのは、郷原信郎弁護士と共に斎藤と折田社長を公選法違反(買収、被買収)容疑で刑事告発した神戸学院大教授の上脇博之氏だ。

「浮上した公選法違反疑惑の打ち消しのため、斎藤知事が代理人弁護士に対応を任せ、ツジツマを合わせる中、図らずもPR会社への支出の経緯が露呈したのです。ここまで窮地に追い込まれない限り、報告書の記載から『後援会がポスターをデザインできるのか』という疑念は生じても、その先の存在まではたどり着けなかったはず。PR会社への支払いは闇から闇に葬られたことでしょう」(上脇博之氏)

 ちなみに、さいとう元彦後援会の代表者は斎藤知事本人が務めている。

「PR会社側に請求書の宛先を後援会にわざわざ指定したのであれば、かなり悪質です。後援会を迂回させることで支出の実態を意図的に見えにくくした隠蔽工作の跡がうかがえます。よほどPR会社への支払いを世に知られたくなかったのでしょう。やましい事実があるとしか思えません」(上脇博之氏)

 神戸地検と兵庫県警は捜査に動くのか。真相解明が待たれる。

  ◇  ◇  ◇

 村上誠一郎総務相は国会で「一般論」と断ったうえで、こう答弁した。「候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合には、その態様によっては公選法上の数量制限などに違反する恐れがある」――立花孝志氏の立件はあるのか? 関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  2. 2

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  3. 3

    日経新聞コラム「私の履歴書」で、伊藤忠の“ドン”岡藤正広会長の肝心なネタがスルーされた思惑

  4. 4

    吉村府知事が語った大阪万博の「魅力」に失笑買い話題騒然!地方局TV情報番組で売り込み発言も具体性ゼロ

  5. 5

    開幕まで2カ月も大阪万博ご難続き…入場券販売不振で“政敵”に泣きつき、海外パビリオン完成もわずか数カ国

  1. 6

    「貸金庫事件」の三菱UFJ銀行・半沢淳一頭取の全銀協会長就任にOBらが懸念

  2. 7

    ドミノ・ピザ大量閉店で見えた業界の“地殻変動”…今やライバルは、ピザハットとピザーラだけにあらず

  3. 8

    備蓄米放出でも政府はコメ価格を下げる気なし…識者が見解「相場を維持したい」思惑とは

  4. 9

    ガソリン全国最高値の長野県「石油商業組合」に独禁法違反の疑いでメス! 公取委が重い腰上げた裏に自民の弱体化か

  5. 10

    大阪万博“引き抜き人事”に労組が抗議書提出の異常事態…府職員からは「通常業務さえままらない」の悲鳴

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…