「憲法9条を変えろ」金も出すが口も出す経団連の“究極の要請”
背景に奥田碩会長
翌05年には、ついに武器輸出を阻む憲法9条をターゲットにし、経団連が改憲を提言した。
「わが国の基本問題を考える」で次のように書いている。
「戦力の不保持を謳う第9条第2項は、明らかに現状から乖離している」
「憲法上、まず、自衛権を行使するための組織として自衛隊の保持を明確にし、自衛隊がわが国の主権、平和、独立を守る任務・役割を果たすとともに、国際社会と協調して国際平和に寄与する活動に貢献・協力できる旨を明示すべきである」
経団連が憲法にまで踏み込んできた背景には、02年に経団連の会長に就任した奥田碩(トヨタ会長)の存在がある。ゼネコン汚職で平岩外四・元経団連会長は93年に献金斡旋をやめていたが、奥田が復活させた。「金は出すが口も出す」のが奥田のやり方であり、奥田は改憲論者だった。 =敬称略、つづく