燃費を良くする運転のコツがデータでズバリ! ガソリン価格は1月16日から1リットル185円に急騰

公開日: 更新日:

■12秒周期の加減速で約1.5%悪化

 実際に走っているときのガソリン消費は、どうなのか。同センターはスマートドライブコンテストで東京都心部での走行データを分析したところ、ガソリン車の場合、発進時に最も多い38%のガソリンが消費されることが分かった。2番目は巡航時で35%。以下、停止時19%、減速時8%だった。

「最も燃費効率に優れる走り方は、一定の速度を守ること。走行中であっても、アクセルを踏んで加速すると、瞬間的な燃費は悪化します。とにかくムダな加速や急ブレーキをしないことが鉄則です。街中走行では、車間距離に余裕をもって目の前のクルマだけでなく、少し先の交通状況に気を配り、路上駐車や工事などが見つかったら、直前ではなく、手前で車線変更をしておくのがポイント。信号が青から黄に変わったのを見て、慌ててアクセルを踏んで信号を突破しようとするような運転が、燃費を悪化させるのです」

 赤信号で止まるときは早めにアクセルを離し、エンジンブレーキを用いて減速する。エンジンブレーキはガソリンを使用しないのでエコドライブに効果的だ。カーブの前も、進入前にアクセルを戻し、惰性で走るのがコツだという。

 発進時はよく「ふんわり加速」が理想といわれるが、誤解している人が少なくないという。

「ふんわり加速を“ゆっくり加速”と誤解している人がいるのです。低いギアで長く走行すると、かえって燃費は悪化します。そうではなく、ブレーキから足を離したら、クリープ状態の加速に合わせるようにアクセルを踏み、滑らかな加速で早めに巡航速度に導いて、一定速度をキープするのがふんわり加速です」

 同センターは、排気量2500㏄のミニバンで時速80キロで走行しながら、+-5キロの加減速をして燃費の悪化比率を調べている。速度一定の場合を「1」とすると、18秒周期で加減速した場合は燃費が1.20%悪化、12秒周期の場合は1.48%とより悪化したことが判明した。

「このデータが示しているのは、細かい加減速が燃費を悪くするということで、それに当てはまる乗り方が都市部での近距離使用です。たとえば、2~3キロ先のスーパーやコンビニなどへの買い物、あるいは子供の学校や塾への送り迎えなど。もしそんな使い方をせざるを得ないなら、ガソリン車なら燃費効率のいい軽自動車に、あるいはガソリンと電気を組み合わせたハイブリッド車、電気自動車に切り替える方がいい。ハイブリッド車での近距離移動なら、すべて電気で賄えますから。これほどガソリン代が高くなると、近距離はハイブリッド車や電気自動車、長距離はガソリン車と使い分けを考慮すべきときでもあります」

■荷物10キロ分の軽量化で1リットル当たり0.2キロ改善

 エアコンは、どうすべきか。

「過度なエアコンの使用は燃費を悪くするのは事実ですが、エアコンの使用を我慢し過ぎるのは健康を害するので安全運転を妨げます。適度な温度設定を心掛けつつ、冬はエアコンよりシートヒーターを利用するとガソリンの節約になります」

 トランクに積んだ余計な荷物は、燃費にとってマイナスだ。日本アルミニウム協会によると、クルマは10キロ軽量化できると、1リットル当たり0.2キロの燃費改善が期待できるという。ゴルフバッグやキャンプ用品などはトランクに積みっ放しではなく、使い終えたら自宅や物置などに収納しよう。

「ルーフキャリアの場合は、荷物の重さに加えて空気抵抗も増えるので燃費にはダブルでマイナスです。使わないときは外した方がいい」

 こうして燃費のマイナス材料をデータでみて、「え、そんなに」と驚いた人もいるはずだ。“チリ積も”で一つ一つ改善すれば、燃費はかなりよくなる。「1リットル当たり15キロ程度だった燃費が、20キロ程度に改善することはよくあります」というから、チャレンジあるのみだ。

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