ジャック製菓 中野幹社長(1)就職内定を辞退して家業を継いだ3代目 ラーメン菓子「ヤッター!めん」が大人気
法律を勉強して検事になりたいという夢を捨てて、後を継いだ2代目。息子の幹氏には後を継いでほしいということを一言も言わなかったそうだ。それでもコツコツと真面目に商売する父の背中を見て育った幹氏、3人兄弟の長男であることもあり、子どもの頃からいずれ後を継がなければいけないと覚悟していた。
「小学生から中学2年生くらいまでマンガ家になりたいなと思っていましたね。高校生の時は山登りばかりして。大学では社会学部でマスコミについて勉強していました。広告研究会にも入って、ポスターを描いたり、キャッチコピーを考えたりすることに熱中していました。そのおかげか、広告関係やマスコミなどいくつかの企業から就職内定をいただくことができたんです。しかし、それが自分の中でやりきったという満足になり、内定をいただいた会社にお断りの連絡を入れて、父に『入社させてくれ』と頭を下げました」
その時の父(2代目)の様子について聞くと、「ちょっとうれしそうだったね」と幹氏。就職活動を経て、自分の“思い”を成就すると、1975年、大学を卒業してすぐにジャック製菓に入社した。(つづく)
(ジャーナリスト・中西美穂)