ジャック製菓 中野幹社長(1)就職内定を辞退して家業を継いだ3代目 ラーメン菓子「ヤッター!めん」が大人気
法律を勉強して検事になりたいという夢を捨てて、後を継いだ2代目。息子の幹氏には後を継いでほしいということを一言も言わなかったそうだ。それでもコツコツと真面目に商売する父の背中を見て育った幹氏、3人兄弟の長男であることもあり、子どもの頃からいずれ後を継がなければいけないと覚悟していた。
「小学生から中学2年生くらいまでマンガ家になりたいなと思っていましたね。高校生の時は山登りばかりして。大学では社会学部でマスコミについて勉強していました。広告研究会にも入って、ポスターを描いたり、キャッチコピーを考えたりすることに熱中していました。そのおかげか、広告関係やマスコミなどいくつかの企業から就職内定をいただくことができたんです。しかし、それが自分の中でやりきったという満足になり、内定をいただいた会社にお断りの連絡を入れて、父に『入社させてくれ』と頭を下げました」
その時の父(2代目)の様子について聞くと、「ちょっとうれしそうだったね」と幹氏。就職活動を経て、自分の“思い”を成就すると、1975年、大学を卒業してすぐにジャック製菓に入社した。(つづく)
(ジャーナリスト・中西美穂)
■関連記事
-
語り部の経営者たち 不易糊工業 鈴木勝也社長(4)安心安全のシンボル「フエキくん」が少子化の荒波に負けない頼もしい味方に
-
語り部の経営者たち 不易糊工業 鈴木勝也社長(3)スティックノリの応用で化粧品が大ヒットも…“コロナ前”に消費行動が戻らず
-
新NISAで買っていい?企業診断 パチスロ・パチンコ業界向け不動産事業で稼ぐJALCO HDは2025年を「第2の創業」と捉え積極経営
-
語り部の経営者たち 不易糊工業 鈴木勝也社長(2)創業100周年、次の100年を作るための世代交代 義父の提案で異業種から転職
-
目からウロコ 大人の寺子屋 セラピストに聞いた がん患者を家で看取る知識「賢い看病とは、家族で役割分担をしっかり決めること」