日産の行く末は経営破綻か台湾企業による買収か? ホンダとの統合「破談」で気になる今後
「日産にはルノーに抑えられていた頃のトラウマがあり、経営の主導権を握られることに強い抵抗感があるようです。一方、ホンダは日産の先行きが不安になったんでしょう。まもなく発表される第3四半期決算も思ったほど良くなかったのではないか。持ち株会社方式では、ホンダは日産と共倒れしかねない。トランプ米大統領の対メキシコ関税も1カ月延期になったとはいえ、この先どうなるか分からず、お荷物を抱えられる状況ではない」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
■株式市場は思惑錯綜
統合破談で日産は単独での生き残りを目指すことになるのか。だが、販売不振に古いEV技術ではお先真っ暗。このままでは経営破綻へまっしぐらだ。ところが、5日の株式市場では、破談報道を受け、ホンダ株だけでなく日産株も一時急上昇した。
「今後は、経産省が仲介に入るのかどうか。さすがに部品メーカーやディーラーなど関連企業が多すぎて、簡単には日産を潰せない。あとは、かねて日産買収に色気を見せてきた台湾の鴻海精密工業に買われるしか生き残る道はないんじゃないか。日産株をめぐる動きには、鴻海によるTOB(株式公開買い付け)の可能性を狙った買いが入ったとみられます」(井上学氏)
進むも退くも、日産にはイバラの道だ。