どうやら「凶」と出たようだ 岸田首相の派閥解消大博打(上)
裏金集団が派閥解散で「禊は済んだ」と言わんばかりの茶番劇
相変わらず「秘書が」と繰り返し、責任逃れする裏金集団に、多くの国民は呆れ返っているのではないか。
安倍派の世耕前参院幹事長は、1500万円超のキックバック不記載について「秘書に任せきりにしていた。秘書が私に報告しないまま、収支報告書の簿外で管理していた」と弁明。しかも、自らが立件されなかったことで「法的な責任については一つの区切りがついたのではないか」と頬かむりである。
高木事務総長は、派閥の収支報告書を「見たことがない」とまで言ってのけた。
さらに高木は「亡くなった後も安倍派を名乗らせていただいたことはありがたかった」と語り、派閥解消について「安倍さんに大変申し訳ないと思っている」と涙ながらに“反省”。事務総長を経験した西村もX(旧ツイッター)に〈安倍総理に対し、大変申し訳なく思っております〉と投稿していたが、謝罪する相手を完全にはき違えている。謝罪すべきは国民に対してだろう。
高木や西村ら事務総長経験者は、裏金化について「会長案件だった」と亡くなった安倍に責任を押し付けていたではないか。それが謝罪とは、どういう思考回路なのか理解不能だ。
安倍派幹部らは派閥を解消したことで「禊は済んだ」と言わんばかりだが、それで国民が納得するとでも思っているのか。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「『秘書がやった』というのは、自民党の“伝統的”な逃げ口上です。しかし、一般社会ではそんな言い逃れは通用しない。本来、なぜ裏金づくりが行われてきたのか、カネを何に使ったのか、キチンと説明し、責任の所在を明らかにすべきです。『禊は済んだ』と思ったら大間違いです」
連中の釈明は茶番だ。