【駐在員が見たロシアの今】(中)ロシア人は実は健康志向…グルテンフリー食品も日本より豊富
私事だが、モスクワに連れてきた2歳の息子が「食物不耐症」と診断された。酵素不足で特定の食べ物を消化するのが難しく、アレルギーとは違う。1903年創立という首都有数の小児専門病院で診てもらうと「まずラボで検査を受けてください」。ギャン泣きの幼児の右腕から金曜日に数滴採血した後、月曜日には「パンがNG」などと詳しい結果がPDFですぐ送られてきた。この辺は日本より便利なのではないか。
ロシアは今、健康ブームに沸いている。グルテンフリーのパンでないとおなかが緩いのが治らないので、どこで買おうかと雪道を探し歩くと、近所のスーパーに売っていた。玄米から雑穀、植物性ミルクまで品揃えは日本よりも豊富だ。
「ウクライナ侵攻の影響でウオッカの消費量が増えている」と外国メディアが報じても、それはステレオタイプな一面にすぎない。私は逆に「何で日本では毎日のように飲み会をやっているんだ」と友人に聞かれたり、こわもてのロシア人医師に「ビールは絶対やめろ」と脅されたりしている。
昨年末、ロシアが攻撃拠点とする西部ベルゴロドにウクライナ軍の砲弾が降り注ぎ、ここに住んでいた自分の知人女性をふと思い出した。彼女は30歳前後でびっくりするほど線が細い。