北朝鮮No.2金与正が“暴露” 岸田首相は何が何でも「訪朝→支持率回復→解散」狙いミエミエ
「外交の岸田」をアピール
支持率アップの先に見据えるのは、国会会期末の衆院解散総選挙である。岸田首相が描いているのはこんなシナリオだそうだ。
「春闘で33年ぶりとなる5%超の賃上げが実現。賃上げ分が実際に給料に反映されるのに2~3カ月程度かかりますから、国民が賃上げを実感できるのが、ちょうど6月ごろとされています。加えて、所得税・住民税の定額減税が始まるのも6月。あとは、日銀がマイナス金利の解除を決めましたから『デフレ脱却宣言』による経済の正常化アピールでしょう。総理は最近、『オレは安倍さんもできなかった賃上げとデフレ脱却をやるんだ』と高揚感に浸っているそうです。そこへさらに、訪朝を実現させることで『外交の岸田』を前面に打ち出す。これだけプラス材料があれば、裏金事件によるマイナスを吹き飛ばせると考えているようです」(官邸事情通)
しかし、肝心の拉致問題を巡っては平行線だ。北朝鮮が「解決済み」とする一方、岸田首相は「自分自身の手で解決する」と宣言している。今回の談話でも、「拉致問題にこだわるならば、首相の構想は人気取りにすぎないという評価を免れないだろう」と、思惑を見透かされてしまっている。狙い通りに事は運ぶのか。国際ジャーナリストの春名幹男氏は言う。
「経済的に困窮する北朝鮮としては、何とか日本との関係を構築したい。そのため、与正氏が2回も談話を公表し、正恩氏は能登半島地震で見舞い電報を送ったのです。条件が折り合えば、会談が実現する可能性はゼロではない。しかし、拉致問題を巡る交渉は一筋縄ではありません。安倍政権時に北朝鮮が一部被害者を返すと打診してきたのですが、一括帰国にこだわる安倍首相が無視し、頓挫した経緯があります。こうした北朝鮮側の条件を、岸田首相はのめるのか。最終的に折り合えず、会談が流れれば、岸田首相の解散シナリオも崩れるでしょう」
ここまで腹の内を“暴露”されて訪朝が立ち消えになれば、赤っ恥もいいところ。支持率アップも解散も夢のまた夢だ。