問われる公明党の矜持…旧安倍派4幹部の参考人招致へ西田幹事長は「賛成」におわせ
少数与党の石破政権にとって最大の関門だった新年度予算案は、なんだかんだで参院に送付され、年度内に成立する見通しだ。しかし、後門の狼がいる。裏金事件だ。実態解明を訴える野党は旧安倍派4幹部の参考人招致を要求。多数を占める衆院の予算委員会で議決される公算が大きい。連立を組む公明党も賛成に傾いているが、また日和ったら、いよいよ「大衆」を敵に回す。
■自民から〈連立を離脱するのか〉と脅され腰砕け
西村康稔元経産相、世耕弘成前参院幹事長、塩谷立元文科相、下村博文元文科相──。旧安倍派4幹部を参考人として呼ぶ動きが浮上したきっかけは、会計責任者だった松本淳一郎氏(政治資金規正法違反で有罪確定)の参考人聴取だ。
裏金づくりの舞台となった派閥の政治資金パーティーをめぐり、松本氏は販売ノルマ超過分の還流再開が決まったのは2022年8月の4幹部会議だったと改めて証言。再開を求めた幹部について「お名前だけはですね、ちょっとこの場では差し控えさせていただきたいんです」としたものの、「今は現職ではないと思います」と言葉を選びながら示唆した。バッジを着けていないのは塩谷氏と下村氏の2人だが、塩谷氏は経緯を認めていることから、問題幹部は下村氏に絞り込まれた。松本氏は「本来はご自身の方から言っていただければ」とも言い、政治倫理審査会での弁明との食い違いについて「不思議だな」とも証言していた。
野党第1党の立憲民主党は予算案の衆院側採決にあたって4幹部の招致確約を条件としたが、野党をまとめきれず後退。先延ばしになった。
「松本招致の議決をめぐっては、公明党も当初、筋を通して賛成に回ろうとしていた。しかし、自民党から〈連立を離脱するのか〉などと脅されて腰砕け。招致をめぐる『全会一致の原則』をタテに、〈民間人の招致を多数決で決めるのはそぐわない〉と主張して議決時に退席し、こうべを垂れた」(永田町関係者)