楽天球団と田中将大 メジャー移籍をめぐる「3つの疑問」
「入札金20億円といっても、税金を引かれれば楽天に入るのはせいぜい12億円前後。たったそれっぽっちの金額のために日本球界の宝である田中を売るのか、とスポンサーやファンに思われたくない。ただでさえ楽天は金銭にシビアな企業だけに、これ以上ケチというイメージが広がれば本社の商売にも悪影響が出ると踏んでいるのです」
入札額が最大20億円となってから急に渋りだしたのは「利益」が減るとソロバンをはじいたからではない。十数億円のためにエースを売り飛ばすしみったれた球団と思われることを避けたいというのだ。
■球団社長が「残留」をお願いするのは「密約」があるからか
田中が利用するかもしれない新入札制度はあくまで、球団が行使するシステムだ。選手を出すのか出さないのか、主導権は楽天にある。思惑があるなら、「田中は出さない」とひとこと言えば済む話だ。
にもかかわらず、立花球団社長は、「来年も残って欲しいという話はする」と話している。イニシアチブを握る球団トップがわざわざ、田中に「残って欲しい」とお願いしなければならないのはなぜか。