楽天やっと移籍容認も…マー君の扱いに米国人記者が疑問視
「米国人記者が呆れるのは当然ですよ」とアメリカ野球愛好会代表補佐の鈴村裕輔氏がこう言った。
「アメリカと日本では、野球選手だけでなく、プロスポーツ選手全体を見る目が違います。アメリカのプロ選手は、グラウンド外でも道徳的、模範的役割を担っている。アスリートは、すべての国民にとって道徳的な見本として見られているのです。だからこそ06年にメジャーが薬物問題で揺れたときは、国民が真相追及に躍起になった。『国民の道徳的見本がなぜそんなことをするのか』と」
■代理人が仕事を選ぶ
選手をサポートする周囲の姿勢、スタンスも日米で雲泥の差だ。
「野球選手がテレビや映画に出演する際には、周囲が『選手の評価を落とさないか』と厳しく精査したうえで、出演させる。日本にはその意識がないし、周囲にそれを判断できる人もいないから、本来敬意を持たれるべき選手の評価を落としてしまうのです。メジャーでは、そういう仕事のオファーが来た場合、選手に代わって、まず代理人が仕事を選ぶのが一般的です」(鈴村氏)
米国のメジャーリーガーも、オフはバラエティー番組に出演する。ただし、出演するときは、きちんと野球の話をする場が与えられる。番組の司会者はメジャーリーガーをタレントではなく、あくまで野球選手として扱う。メジャーリーガーには確固たるステータスがあり、彼らに対して周囲も敬意を払う。が、日本は違う。プロ野球選手は、メジャーリーガーと比べて社会的地位が低い。アイドルと歌って踊るなんてのは、バカにされている以外の何物でもない。もちろん選手たち自身にも問題はあるが、日米の野球選手のステータスの違いは、マスコミの選手の扱い方にも大きな原因がある。