補強下手球団の典型パターン…阪神ゴメス“契約秘話”
■広島に3000万円で売り込みの過去
ゴメスは数年前から日本の複数球団が調査をしていた選手。その中には、外国人選手の見極めに定評のある広島も入っていた。
ゴメスは数年前から日本の複数球団が調査をしていた選手。その中には、外国人選手の見極めに定評のある広島も入っていた。ある広島OBがこう言う。
「ゴメスの代理人は2年前、3000万円程度の年俸で広島に売り込みをかけてきた。でも、練習態度が悪く、スカウトにアピールする場であるウインターリーグでの緩慢な動きを見て契約しなかった。『日本に来ても数字を残すのは難しい』と判断したのです」
阪神はその1年後、広島がソッポを向いた助っ人に年俸8500万円+出来高の総額1億2000万円の条件で獲得したわけだが、在京球団の元編成担当は、「今さら中日のマネをしても遅いですよ」と言ってこう続ける。
「中日の中南米ルートを確立させたのは森ヘッドです。森さんはフロントに掛け合い、西武、巨人で活躍したドミニカ出身のマルティネスを中南米専属のスカウトに抜擢。代理人と契約していないめぼしい選手を集め、グラウンドを借りてテストする。野球なんてうまくなくていいから、とにかく球が速いとか、ボールを飛ばせるという原石を見つけるのです。08年キャンプでテストして入団したネルソンがそう。集合時間に2時間も遅れ、サトウキビ畑から裸足で出てくると、いきなり150キロの球を投げたそうです。日本に連れてきて再度テストしたとき、バント処理の際にグラブをボールの上からかぶせて捕ろうとしたぐらい。それを900万円で契約。手取り足取り教え11年には2ケタ(10勝)勝った」