開幕連勝の日ハム上沢 中学時代は遅刻常習で「1番」もらえず
「高卒3年目で先発ローテでしょ。大したもんです。私の目は確かでしたね」
プロ2勝目を挙げた上沢の中学時代を知る関係者がこういった。
4月2日のソフトバン戦でプロ初登板、初先発。6回を3安打1失点7奪三振でプロ初勝利。この日は5回3分の2で降板したものの8安打2失点とゲームはつくった。
先発の仕事を果たし、連敗5で止めた右腕は「連敗していたので流れを変えてやろうとマウンドにあがった。札幌のマウンドはたくさん声援してくれるし、とにかく力になった。投げやすかったです」といった。
千葉の専大松戸高時代は1年からベンチ入り。2年春からエースになり「松戸のダルビッシュ」と呼ばれた。11年ドラフト6位で入団。187センチの長身から投げ下ろす角度のある140キロ台後半の直球が武器だ。
■明け方から熟睡するタイプ
そんな上沢も中学時代(松戸一中)は背番号10の控え投手だった。前出の関係者がいう。
「上沢と1番をつけていたエースとの実力は天と地ほどもあったが、上沢はいつも試合に遅れてくるなど遅刻の常習犯。監督が何度叱っても直らないので教育上、1番を与えなかったのです。実は遅刻の原因は気の緩みではなく、睡眠が浅いため明け方から熟睡するからだったようです。上沢は控え投手でもふてくされることなく黙々と練習していました。3年生の最後の大会に負けたとき、私が監督に『上沢は必ずプロに行きますよ』といったら、『それでも遅刻のことは許さん』といってましたね」
プロ野球選手は夜のお仕事。一軍にいれば朝はゆっくりできる。プロ3年目にして開花した右腕は、もう二軍に戻るわけにはいかない。