ただいま三冠王! 阪神マートンが秘める「4割」の可能性
ちょっと気が早いが、期待をもたせる数字だ。
開幕から絶好調のマートン(32)は、11日の巨人戦を終えての打率がなんと.479。25打点(リーグ1位)、5本塁打(同1位)と堂々たる数字で、現在“リーグ三冠王”。押しも押されもせぬ阪神のポイントゲッターだ。
マートンはこれまで最多安打を3度記録。10年の214安打はプロ野球(NPB)記録を更新。首位打者のタイトルこそないが、日本球界を代表するヒットメーカーだ。
そこでファンが夢見るのが夢の4割だ。メジャーではこれまで8人の打者が延べ13度、打率4割をマーク。とはいえ、1941年のテッド・ウィリアムズ(.406)以来出ていない。NPB記録は86年に三冠王のバースが出した.389が最高。マートンはNPB史上初の4割打者になれるのか。日米プロ野球の記録に詳しく、「4割は打てる!」(新潮新書)の著者である小野俊哉氏(スポーツアクセス代表)は、「可能性はある」と言ってこう続ける。
■条件は右投手、四球、固め打ち
「過去の記録を調べてみると、打率4割を実現するためには条件があります。右投手から4割以上打つ、打数を減らすために四球をたくさん選ぶ、三振を減らす、そして4打数以上の試合で3安打以上の固め打ちを増やすことです。まず、対戦機会が多い右投手からヒットを量産しないと高打率は難しい。四球を増やすのは、打率計算の分母(打数)を大きくしないためです。三振しない巧みなバットコントロールがなければ、4割は打てません。三振率(三振÷打数)は6%前後に抑え、バットに当たった時の打率は4割2分は欲しい。そして、大量リードの試合でも容赦なく打ちまくる。簡単なことではありませんが、広角に打てるマートンなら可能性はあります」