女子プロボクシングの旗手・風神ライカは格闘家で再出発
女子プロボクシングの日本人世界王者は現在7人を数える。まさに黄金時代を迎えているが、この人がいなかったら、今の女子ボクシングの隆盛はなかったかもしれない。日本人女子プロボクサーのパイオニア的な存在で、3階級の世界タイトルを獲得した風神ライカさんだ。児童養護施設で育ったことが話題になり、ライカさんを取り上げたドキュメンタリー番組やテレビドラマが放映された。しかし、最近は名前を聞かない。今どうしているのか。
「去年8月、韓国であった女子世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦で負けた後、所属ジムから引退勧告を受けましてね。年齢や身体的なダメージを考えてくれての勧告だったんでしょうが、ワタシとしてはやめるつもりは毛頭なかったし、何より自分の人生は自分で決めたかった。だから、“続けたい”“ダメだ”とジム側と随分やりとりしましたよ。でも、よくよく考えたら、ワタシが一番求めてるのは、自分が生きてるって実感を得ること。その手段はボクシングじゃなくてもいいわけで、ならば闘う土俵を変えて、もう一回チャレンジしようと決めたんです」
JR巣鴨駅近くのキックボクシングジム「TARGET」で会ったライカさん、まずはこう言った。