オランダの死角 ロッベンの“ダイブ癖”をアルゼンチンが狙う
らしさを捨てた5バック。目まぐるしく変化する布陣。そしてPK専従GKの起用――。ファンハール監督が繰り出す策が次々に当たり、オランダは勢いに乗っている。
メッシ対策を聞かれたオランダのコーチ、クライファート(38)が「それじゃあ~アルゼンチンはロッベンをどう止めるのかな?」と聞き返すなど、チームは自信に満ちあふれている。FWのカイト(33)、ファンペルシー(30)、フンテラール(30)、そしてMFスナイデル(30)のベテラン三十路軍団を中心に結束を強めているが、実は意外にも死角は多い。
サッカーライターの小室功氏が、ウイークポイントをこう分析する。
「両チームとも中3日の試合ですが、疲れが残っているのはオランダでしょうね。コスタリカと延長まで計120分を戦ったばかり。しかもPK戦を見据えてGKの交代枠をひとつ残し、そのためにベテラン勢が全員フル出場を強いられました。決勝トーナメント以降の移動距離もアルゼンチンと比べると長い。これもマイナス材料となっています」
中盤の“潰し屋”デヨング(29)がケガで試合に出られず、最終ラインには“メッシ未体験”の若手ばかりが並ぶ。試合のほとんどの時間をトボトボと歩き、突然ギアを上げるメッシ(27)の急激なリズム変化に面食らい、オランダDFはファウルで止めるしかなくなり、FK献上でピンチを迎えることになる。